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著 書 名: 川崎平右衛門(へいえもん)「心一盃」(こころいっぱい)
規 格: A4 版 64 ページ 全カラー
定 価: 500 円(税別)
企 画・制 作: 布川 眞
原 作: 和上 陽子
作 画: 井出 萌子
発 行: 有限会社コネクション
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江戸時代中期は、大きな地震や噴火が頻繁に起きた時期でした。
元禄16年(1703年)にあった元禄大地震は、相模トラフの房総半島南端が震源で、規模はマグニチュード7.9~8.5と推定されます。
宝永4年(1707年)の宝永大地震は日本史上最大とされ、震源はフィリピン海プレートが沈み込む南海トラフ沿いで、東海地震と南海地震が連鎖的に起き、その規模はマグニチュード8.4~9.3といわれます。
この宝永大地震から49日後には富士山が大噴火を起こし、火山灰は遠く江戸の町に5cmも積もりました。
一方、幕府の財政が危機的状況にもあり、現代の日本と、実によく似た状況にあったのが、この時代です。
八代将軍:徳川吉宗と大岡越前守コンビによる「享保の改革」は、新田開発による年貢増収と質素倹約が大きな柱でした。
三鷹、小金井、国分寺を南限とする多摩地域北部から、所沢、鶴ヶ島といった埼玉県南西部までの広大なエリアが「武蔵野新田」として開発されることになりますが、関東平野は火山灰が降り積もってできた粘土層(関東ローム層)なため、土地が痩せていました。
江戸開府以来、山野を切り開き、農地を広げる努力は続けられており、残っているのはさらに条件の悪いところばかりでしたから、開拓は苦難の連続となります。さらに冷害や害虫による飢饉が続き、逃げだす者も続出します。
押立村の名主、川崎平右衛門は飢饉に見舞われた地域の百姓を救うため、自らの蔵を開き小金井橋で御救米を配ります。この功績から、苗字帯刀が許され、新田開発世話役に抜擢されます。
世話役に就いた平右衛門は、新田村の家々を訪ね歩き実情を調べます。そして、井戸や用水路の公共工事を行い、普請場に出てきた者には、背中に負ぶられた赤ん坊にまで日当を出し、先ずは皆が食える状況を作り出します。
さらに、新田を逃げだした者でも戻ってきたなら「立ち返り料」を渡したり、大量に買い付けた肥料を農民たちに貸し付け、返済は作物でさせたりと、知恵と工夫を凝らし、停滞を続けていた新田開発を徐々に軌道に乗せることに成功します。
この他、玉川上水や多摩川の普請を見事にやり遂げたり、上水の堤に山桜を植林したり、その活躍は多肢に渡ります。やがて幕府の代官に引き立てられ、美濃や石見銀山に派遣されることにもなります。
今年2017年は、平右衛門没後250年となります。偉大なる先人の足跡から現代に生きる私たちが学べるものは多いのではないでしょうか。
タイトルの「心一盃」とは、その人柄と能力を認めた大岡越前が平右衛門に全権を任せると送った書状にあった言葉で「思う存分」という意味です。
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